Story ストーリー

ビキニ冒険記

エピソード7:最後に加わる仲間との力量差があるのはよくあること

君たちは3人パーティーとなり、戦力を大幅に上昇することができた。
君たちは破竹の勢いで探究を進めており、冒険者の酒場で次の作戦会議をおこなっていた。

★冒険者の酒場
「わたしたちもずいぶん強くなったね。スライムとかに苦労していたのがもう懐かしいわ」
「そうですわね。このあたりではわたくしたちより強い冒険者はいなくなりましたわね」
「で、でも魔王を倒すにはまだまだ強くなる必要があると思います。今のあたしたちに足りないのは、罠の解除能力、追加の物理攻撃、追加の魔法の使い手、少しの常識、ですね」
「よし、わかった。4人になったら無敵のパーティーになるぞ! さっそく仲間の情報を集めよう!」
「それならちょうど良さそうなやつの情報が来ているぞ。闇の森にいる凄腕だそうだ」
「それですわ!さっそく参りましょう!」
★闇の森
「ずいぶん不気味な森だけど、本当にこんなところに凄腕がいるのか?」
「闇の森には闇エルフという種族が住んでいると聞いたことがあります」
「闇エルフ?」
「人間よりはるかに長命な種族で、数千年を生きると言われています。剣の腕と魔術の業に長け、手先も器用だとか。」
「なんだその完全上位互換超人は! わたしたちいらなくないか!?」
「それだけに人間を見下している気難しい性格だとか。あっさり仲間になってもらえるとは思えませんわね」
「侵入者よ、とまれ!」
「だ、だれだ?」
「ここより先に許可なく立ち入るというのなら、闇魔法の矢をおみまいすることになるわよ」
「あ、あそこです! うわぁ、なんて強そうな人。あれが闇エルフ……」
「わたくしたちは凄腕の冒険者を探しに来ただけですわ」
「そうだよ。もしかしてあんたか? 物騒な魔法とかしまって握手しようよ」
「警告したはずよ、さらばだ人間」
(ダークエルフの手から闇魔法の矢が放たれ、ファイターの胸に直撃する)
「ファイターさん!!」
「うっ!・・・て、あれ、全然痛くないや」
「(・・・えっ、効いてないの?われの最強の魔法が?)」
「なんだ~、おどかしただけか。死んだかと思った。驚かせないでくれよ~」
「そ、そうよ。い、今のは警告だったのよ。人間にしてはなかなか度胸があるじゃない。いいわ、仲間になってあげる」
「やったー!」
「剣技を極め、あらゆる魔法を修め、古今東西の罠や遺跡の仕掛けに通じているわ。さらに、すばやさは人間の10倍。われが加われば大業をなせるわよ」
「すごいですわ。さっそく難関といわれる不死者の谷を攻略いたしましょう」
★不死者の谷
「ずいぶん入り組んだ地形ですね。地図を書いていかないと迷っちゃいそうです」
「めんどくさいけど、そうするか~」
「ふん、地図など書く必要はないわ。風の精霊の言葉に耳を傾ければ、導いてくれるわ」
「さすがダークエルフさん。頼りになりますわね」
3時間後
「ぜぇぜぇ、さっきと同じところじゃないのか、ここ」
「あ、そうです。ここにさっきファイターさんが落としたお弁当箱のふたがありました」
「われにまかせなさい。闇の精霊の息吹をたどれば、不死者の王のもとに導いてくれるわ」
「・・・さっきは風の精霊って言いませんでしたっけ」
★不死者の王の洞窟
「ああ、やっと着いた~。」
「扉が閉まっていますわね。鍵はかかっていますか?」
「かかっていないといいですね。あたしの鍵解除魔法は簡単な構造の鍵しか開けないので、困っちゃいます…」
「われにまかせなさい。・・・どうやら鍵がかかっているようね。この扉の文様を読み解くと古代龍遺跡に稀に存在する伝承鍵の技術が使われているようね。この鍵を開くにはわれでも少し時間がかかりそうだわ」
「そんな難しい鍵なんですね。わたしたちだけでは入れなかったかもしれません。ダークエルフさん、よろしくおねがいします」
「われにまかせなさい」
1時間後
「この仕掛けがこうなっているから、こっちのネジがこうなって・・・」
「なあパラディン、もしかしてダークエルフのやつすごく手こずってないか」
「よほど難しい鍵なんでしょう」
「さっき、なんか指をはさんじゃってるようにも見えましたが、大丈夫なんでしょうか」
「・・・少しだけはずすわね。自然がわれを呼んでいるから」
「なんだ、ダークエルフもおしっこするんだな」
「失礼ですよ!」
「ごめん、ごめん。ん?どうしたメイジ」
「い、いえ、無理だとは思ったんですけど、いちおう鍵解除魔法をかけてみたんですよ・・・」
「開かなかったんだろう? その魔法いつも使ってみてるけど結局開かなくてあたしがぶっ壊してるもんな」
「い、いえ、そうじゃなくて、そもそも魔法に反応がなかったんですよね」
「ということは?」
「まさかとは思いますが・・・、扉押してみます」
ギ、ギ~
「あ、開いちゃいました・・・」
「まさか、最初から鍵がかかっていなかった・・・んですの?」
「お待たせ。あら、扉が開いたのね。さすが、われ。もう少しかかるかと思っていたけど、すでに解除していたとは。」
「・・・」
★不死者の王の間
「あそこに座ってるのがこの洞窟を支配する不死者の王か? げっ、なんだあいつ、めちゃくちゃ強そうなんだけど」
「どうやらリッチと呼ばれる最強のアンデッドのようですね。い、今まであたしたちが戦ったことがない種類の敵です。」
「せっかくたどり着いたけど、一度出直して情報を集めた方がよろしいかもしれませんね」
「たしかになぁ。はるかにわたしたちより強い雰囲気が・・・って、おい! あいつ、何やってんだ!?」
「不死者の王よ、覚悟するがいい。われが来たからには、貴様は灰燼に帰したも同然だ」
「生者ヨ…後悔スルコトニナルゾ」
「わ、わ~っ、ダークエルフさんが、勝手に一人で戦闘に突入しています!」
「うふふ、剣と魔法、どちらで仕留められるのがお好みかしら?」
「ダークエルフの構えた剣に、なんか魔力みたいなのが集まってくるぞ、すげぇ!」
「闇の聖霊よ、わが剣に宿りたまえ。闇をもって闇を制す! 必殺、“最も深き闇の滅霊斬”!!」
(ズバッ!!)
「・・・ソレガ、ドウカシタカ。ソンナ技デハ、ワタシヲタオスコトハデキナイ。」
「えっ?」
「ならば、これでどう? 冥界の闇よ、われのもとに集い、かの敵を罰せよ!」
「あれは闇魔法の詠唱! あたしが学んでいない系統の魔法です!」
「はーーーーーっ!」
「・・・キカナインデスケド」
「えっ、われの剣と魔法、どちらも効かない? あ、そう・・・なの。」
「なんかダークエルフさん、困ってるみたいですけど」
「あの剣の技、見かけ倒しだけで全然威力なさそうだったからな」
「あの闇魔法も見習い用の初級呪文だったみたいです」
「ということは、ダークエルフさんは私たちより全然・・・」
「よわっちい奴だったんだな」
「と、年上の新人さんだったんですね」
「そ、それならば、これはどうかしら! われの速さについてこられるかしら?」
「あ、逃げた」
「すばやさは人間の10倍、だけは本当でしたね」
「私たち、この先大丈夫なんでしょうか?」