君たちは仲間を募るために酒場へ向かった。
街の酒場では旅の仲間との運命的な出会いを待っている腕利きの冒険者たちが出番を待っているという。
はたして、困難な探求の旅を共に成し遂げる仲間と出会うことができるだろうか?
「ここが酒場よ。冒険に出たい腕に覚えがある者たちが集まっているそうよ」
「ふーん、そうなんだ。そういう人たちって、誰から声かかるまでひたすらここで飲んでるものなの?」
「よくは知りませんが、そういうものなのではないでしょうか…?」
「酒場に一日中いると、酒代だってバカにならないんじゃ…。冒険者なんてもともと定職がない人だろうに生活は大丈夫なんですか?」
「さあ。わたくしはそういうお金に関する苦労を今まで一度もしたことがないからわからないわね」
「普通にむかつきますね。さて、まずはどういう仲間を探せばいいのかな?」
「それはもちろんわたくし達にできないことができる方々でしょうね。パーティーを組むときは役割分担が何より大事なのです。」
「そう、荒々しい戦士ばかりたくさんいても、攻撃が単調になってしまうわ。時には絡め手や、特殊なやり方で攻めるような仲間も必要よ」
「いや、やり方だけじゃなくて、場所や状況の変化も欲しいわね。夜の浜辺とか、さびれた教会の中というのも背徳的…」
「魔法使いならあそこのテーブルに座ってる人がそうよん。宮廷魔術師として50年務めあげて引退したんだってよん。」
「確かに、いかにも経験を積んだ魔法使いといった出で立ちの老人ね」
「頼もしいじゃない、ぜひ仲間になってもらおうっと!」
「別にそこはいいでしょ。いかにも強そうじゃないですか。もしもしご老人」
「高名な魔法使い殿とお見受けいたしました。いっしょに世界を救う戦いに参りませんか?」
「(なんか目がやらしいような・・・)わたしはまだ若輩者なんで教えてほしいんですけど、魔法ってのは具体的にどういうことができるんです?」
「そりゃ、火の玉で敵を吹き飛ばす魔法とか、カエルに変身させてしまう魔法とか、恐ろしい業に決まっているわよ」
「なるほど守りが強固な敵の防御を弱めるのですね。地味ながらわたくしたちが助けられる場面もあるかもしれませんね。他には?」
「ちょっと待って!50年宮廷魔術師だったんでしょう。その間難しい魔導書読んだり、研究したりしてたんじゃないの? その成果が、その微妙な魔法ひとつだけ?」
「な、なにを言うか、魔法というものは人知を超えた力。一生かけて一つも習得できないものもザラにおるのじゃぞ」
「だって、50年だよ! 宮廷魔術師ってことは税金で養われてたってことでしょ? わたしの友達が皿洗いして稼いだお金とか・・・いろいろ吸い取って! それだけやって、呪文一個? 毎日何やってたのって話でしょうが! 」
「じゃあ、あなたはなんか魔法使えるんですか~!? 一個も使えない人に言われたくないです~!」
「あ~開き直ってる!話すり替えてる!話すり替えの魔法か? いかにも大魔道士でございっていうその風貌で恥ずかしくないの? 悔しかったら、ドラゴン召喚したり、稲妻出したりしてみなよ! えっ?
「……エルムザール・デス・グロージアス。冥界を総べる虚空の主よ、我が力となりて滅びの印を示せ……ワーズ・ギー・シャルム……」
「……ダウクル・デュルド・ムーン…ことのはにより汝を討たん!」
「なに、これぇぇぇ。鎧が、鎧が、ドロドロにぃぃぃ」(エロシーン)